PORTでは、11月3日(金・祝)より12月3日(日)まで、小林透写真展《前夜》を開催いたします。
小林透は、知的障害のある自閉症である、自身の弟の写真を撮り続けている写真家です。
『普通の』コミュニケーションができない弟との間にある距離の近さと遠さ。
撮影するという選択によって兄弟の間に生じる揺らぎ。
愛すべきものであり、時として疎ましい家族と、そこで流れた時間。
そういった沢山の事を感じた彼の写真を、ぜひ大阪でも紹介したいと思い今回の展覧会を企画しました。
ぜひお越しのうえ、ご高覧いただけましたら幸いです。
(文章/米子匡司)
12月2日(土)には、15時より写真家・鷹野隆大氏をゲストに迎え、作家とのトークイベントを開催いたします。
1983年生まれ。弟を撮り続けている。2012年第2回『東川国際写真フェスティバルポートフォリオオーディション』グランプリ受賞。同年第7回『1wall』審査員奨励賞(姫野希美選)。主な展覧会に2014年個展『one』/水戸のキワマリ荘「遊戯室」(企画:松本 美枝子)、2016年グループ展『VOCA展 現代美術の展望 - 新しい平面の作家たち』/上野の森美術館(推薦:永松左知)など。赤々舎より写真集を刊行予定。
1963年生まれ。2006年にセクシュアリティをテーマにした写真集『IN MY ROOM』(蒼穹舎)で第31回木村伊兵衛写真賞を受賞。2011年には日本特有の街並みを集めた写真集『カスババ』(発行:アートイット)を発表。性や都市をテーマにしながら、制度化された視覚や社会の枠組みを問う作品を発表している。近年の写真集に『光の欠落が地面に届くとき 距離が奪われ距離が生まれる』(edition nord)